きょうのことばセレクション

資本効率

2019.10.1(火) 掲載
企業が株主や銀行から調達したお金をどれだけ効率的に使って稼げているかを表す概念。自己資本利益率(ROE)や投下資本利益率(ROIC)などが代表的な指標だ。投資家が企業を評価する際は利益規模だけでなく、資本効率も重視する傾向が強い。
 ROEは株主に帰属する自己資本で利益を割って算出する。株主からみた投資効率を示す。自社株買いなどで自己資本を圧縮してもROEを押し上げる効果がある。経済産業省が2014年に公表した「伊藤リポート」は、企業は最低8%超のROEを目指すべきだとした。日本企業のROEは上昇傾向にあるが、米国や欧州よりは低い。
 ROICは自己資本と有利子負債を合わせた「投下資本」で利益を割って求める。株主と債権者の両方からみた投資効率を示す。新規に投資したり、事業から撤退する際の判断基準として採用する企業が増えている。日立製作所は19年3月期に8.5%だったROICを22年3月期に10%超に高める計画だ。
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