きょうのことばセレクション

外資規制

2019.10.1(火) 掲載
安全保障などを目的に、対外取引にかけられる必要最低限の規制。日本では外為法で規定される。日本では戦後、復興と産業育成のために対外取引を原則禁止としたが、経済協力開発機構(OECD)を軸に進んだ資本自由化を受け、1980年代にかけて自由化にかじを切った。以降、日本企業への出資などを原則自由とする今の外資規制が形づくられた。
 先進国は対外取引を原則自由とする姿勢を今も掲げているが、近年は国際的に規制強化の流れが強まっている。2001年の米同時テロ後には、日本でもテロ資金対策の強化のために金融機関に本人確認を義務づけた。近年はビッグデータの活用や人工知能(AI)の発展による産業構造の変化を受け、米中の覇権争いを背景とした外資規制の見直しが進んでいる。
 米国では17年、中国などからの投資に安全保障上の問題がないかをチェックするため、対米外国投資委員会(CFIUS)の機能を強化する法案が提出され、20年から新規制の運用が始まる見通しだ。ドイツや英国など欧州各国も歩調を合わせており、日本も国際的な流れに対応してルール見直しを進める。
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