きょうのことばセレクション

指標原油

2019.10.1(火) 掲載
世界の原油取引で価格指標とみなされる主な原油。国際的に多く使うのが、主要消費地である北米、欧州、アジアの三大市場の価格だ。北米はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油、欧州は北海ブレント原油、アジアは中東産ドバイ原油が指標になっている。原油には比重や硫黄分によって多くの種類があり、価値の基準として指標原油が使われている。
 特にWTIと北海ブレントは先物市場での取引量が多く、価格決定の透明性が高い。ロンドン市場の北海ブレントは、欧州に近い中東やアフリカの情勢変化を敏感に反映する傾向がある。ニューヨーク市場のWTIは米国内の原油生産や在庫など、米国固有の事情の影響を強く受けやすい。
 アジアではトレーダーが相対取引で決めるドバイ原油のスポット(随時契約)価格が注目されている。サウジアラビア産に比べ生産は少ないが、スポット売買のため需給実勢を映すとされる。最大の原油輸出国サウジはアジア向けの原油価格について、ドバイ原油とオマーン原油の月間平均価格に調整金を加減し、毎月見直している。
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