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長短金利操作

2019.10.1(火) 掲載
国債は満期までの期間ごとに金利が異なる。その金利をつないだものが利回り曲線(イールドカーブ)で、曲線全体の操作をめざす日銀の金融緩和策が長短金利操作だ。英訳は「イールドカーブ・コントロール」。短期政策金利だけでなく、本来は市場で決まる長期金利の水準もオペ(公開市場操作)などを通じて誘導する。現在は短期政策金利をマイナス0.1%、長期金利の誘導目標を0%程度とし、短期から長期へ金利の傾きが出る形をめざしている。
 2016年1月に導入を決めたマイナス金利政策で利回り曲線全体が沈み、銀行の収益悪化など副作用が問題になった。対策として同年9月に導入したのが長短金利操作だ。金利を全般的に低い水準に保って経済や物価の底上げを促しつつ、過度な金利低下で副作用が強まるのを防ぐ狙いがある。
 日銀は当初、長期金利について0%からプラスマイナス0.1%程度の範囲で動くようにしていたが、債券市場の機能低下を考慮し、18年7月に幅をプラスマイナス0.2%程度まで広げた。足元で長期金利は米欧でも低下しており、日本でも日銀が想定した「下限」を下回っている。
長短金利操作