きょうのことばセレクション

据え置き型蓄電池

2019.10.1(火) 掲載
工場やオフィス、住宅や発電施設などに設置する蓄電池。従来は鉛電池が多く使われていたが、最近では量産効果で価格が下がったリチウムイオン電池が増えている。大規模施設ではレドックスフロー電池やナトリウム硫黄(NAS)電池なども使われる。
 かつては通信施設やデータセンターなど稼働を止められない施設が、停電時の非常用電源として導入するケースが多かった。今後は気象条件で発電量が変動する太陽光や風力を使いこなす用途が増える見込み。例えば昼に余った電気を蓄電池にため、夜間に使えば、電力会社から購入する電力量を減らせる。風力発電施設に設置し、発電量の変動を抑える用途も増えるとみられる。
 普及の課題は価格だ。国内では家庭用は150万円前後かかるため、蓄電池の導入コストを電気代の削減分で回収するのは難しい。一方で、電気代の高いオーストラリアなどでは蓄電池を導入した方が安くなる地域も出始めている。価格が一段と下がれば、日本でも蓄電池を導入する企業や家庭は増えそうだ。
据え置き型蓄電池