きょうのことばセレクション

スマホ銀行

2019.9.1(日) 掲載
スマートフォンのアプリで預金や送金など銀行の機能を利用できるサービス。米調査会社マーケッツアンドマーケッツによると、スマホなどで使えるデジタル銀行の市場規模は18年に33億ドル(約3500億円)で、今後は年平均11.2%の成長が続き23年には57億ドルに達する見通しだ。
 金融とIT(情報技術)を融合させるフィンテックの広がりで、スマホ銀行は従来の銀行にはないサービスを提供し始めている。例えば、中国のアリババ集団は、自社の電子商取引(EC)サイトなどの利用履歴やスマホ決済で集めたデータを人工知能(AI)で分析し、利用者の信用力をはじき出す。スマホ銀行のノウハウは銀行口座を持てない低所得層にも融資するマイクロファイナンスなどでも使われる。
 日本はまだ普及の途上だ。米国のアプリ調査会社アップアニーによると、銀行アプリの利用頻度が世界平均は週約7回なのに対し日本は約2回にとどまる。「振り込みなど基本的な機能にとどまっている」(同社)ことが要因だ。最近はLINEがみずほフィナンシャルグループと組んでスマホ銀行の準備会社を設立した。「対話アプリの基盤を生かし金融などを提供していく」(LINEの出沢剛社長)考えだ。
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