きょうのことばセレクション

原子力規制委員会

2019.8.1(木) 掲載
原子力の安全規制を一元的に担う組織として、2012年9月に発足した。委員長と委員の計5人の合議制で、規制の基準作り、原子力発電所の監視、再稼働審査などを進める。安全基準に満たない原発には原子炉等規制法に基づき、停止命令を出せるなど強い権限を持つ。災害やテロで原発に重大な事故が発生した場合には、専門的な見地から対応を指揮する。事務局で官僚組織の原子力規制庁が実務を担う。
 規制委は国家行政組織法第3条に基づく「3条委員会」で、他省庁などからの高い独立性が保証されている。委員長・委員には原子力や放射線、地震、地質などの専門家から政府が選び、国会の同意を得て任命する。11年の東京電力福島第1原発事故の前に規制を担っていた原子力安全・保安院が原発推進の経済産業省傘下にあって、電力業界とのもたれ合いを指摘されていた。その反省を踏まえて発足したため、独立性の維持と運営の透明性が求められている。
 活動原則に「常に最新の知見に学ぶ」と掲げており、学術論文など最新の科学的な知見を規制に取り入れる方針を示している。強化した規制はすでに稼働済みの原発にも猶予期間などを設けて適用する。
原子力規制委員会