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初任給

2019.7.1(月) 掲載
主に就職して最初に受け取る給与を指す。厚生労働省によると、2018年春入社の大学卒業者の初任給は前年比0.3%増の20万6700円と5年連続で増加し、過去最高を更新した。新卒採用が学生優位の「売り手市場」となっているのを背景に、人材獲得のため初任給を引き上げる企業が増えている。
 リクルートの20年新卒採用見通し調査では初任給の引き上げを、すでに実施か予定している企業が約半数に達した。例えば、みずほ証券は20年春の大卒初任給を1万円引き上げて25万5000円にする予定だ。ただ外資系などに比べて国内企業の初任給を含む処遇がなお見劣りするとの指摘もある。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査では東京のエンジニア(中堅技術者)の月給は米ドル換算で3491ドル。シンガポール(3064ドル)、韓国・ソウル(2702ドル)などアジア諸都市との賃金格差も縮小している。国際競争力を保つためにも、優秀な人材を初任給を含めて「脱・横並び」で手厚く処遇する動きが今後も広がりそうだ。
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