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銅市況

2019.5.1(水) 掲載
ロンドン金属取引所(LME)の価格が国際的な指標とされる。LMEの指定倉庫の在庫量が世界全体の需給バランスの目安になっている。供給側ではチリやペルーなどの鉱山における減産や増産の動きのほか、各国の銅地金の生産動向がカギを握る。
 需要側を左右するのは中国の動向だ。銅の世界の消費量は2017年で2346万トン。このうち中国が約50%と、10年前の25%程度から急上昇した。世界の年間消費量は10年で3割ほど増えたが、大半が中国の伸びといえる。このため市場関係者は中国のインフラ投資や製造業の生産意欲に敏感で、銅電線や銅管、電子材料向け伸銅品などの需要の変化に気を配る。独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の白鳥智裕氏は「中国の銅消費が伸びるトレンドは当面続くとみられる」と指摘する。
 日本国内の銅製品の市況も国際相場の影響を受ける。直近は自動車産業向けのほか、20年開催の東京五輪・パラリンピックに関連した建設需要などを支えに国内の銅製品は値上がり基調だった。足元の国際相場の頭打ちが目先の国内の価格動向に波及するかが商社などの関心事となっている。
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