きょうのことばセレクション

位置情報

2019.4.1(月) 掲載
個人がプライベートや仕事で訪れた場所に関するデータ。位置や方向を判別できるスマートフォン(スマホ)が普及し、集められる情報の量と質が爆発的に上がった。不動産会社が開発候補地の人口動態を調べたり、ネット広告企業が配信先を効率的に絞り込んだりと活用の裾野が広がっている。
 最も早く普及したのが、通信大手の基地局データだ。基地局は1基当たり数百メートル四方のエリアをカバーし、各ユーザーの携帯電話と電波をやり取りすることでその動きを検知する。NTTドコモはこうして集めた大量の位置情報を匿名化し、自治体や流通・小売企業などに販売している。
 Wi-Fiや全地球測位システム(GPS)は数メートル単位と、さらに詳細に位置を捕捉できる。ソフトバンクは全国約30万カ所にWi-Fi発信器を設け、接続するスマホの位置情報を集めている。未接続でもその探知電波を通じて端末IDなどのデータが集まる仕組みだ。個人の細かな動きを特定できるだけに、所管する総務省ではプライバシーをどう保護していくか議論を進めている。
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