きょうのことばセレクション

債務上限

2019.2.1(金) 掲載
米連邦政府が借金のために発行できる国債の総額は法律で定められている。債務が上限に達すると、米議会の承認を得て上限を引き上げる必要がある。議会が引き上げを承認しないと国債を新規に発行できず、国債の利払いに回す資金が調達できなくなる。
 上限引き上げが難航すると市場が動揺する。2011年夏に引き上げが難航した際は、格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付けを引き下げ、市場が混乱した。
 債務上限を巡っては上限の適用停止や暫定延長、財務省による支出抑制などの「特例措置」といった対応策もある。13年、15年には適用停止で対応した。現在も債務上限の適用が停止中だが、19年3月に適用が再開されるため、引き上げが必要になる見通しだ。債務上限を巡る問題は、上下両院で民主党と共和党の多数派が異なる「ねじれ議会」のもとで起こりやすい。
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