きょうのことばセレクション

がんゲノム医療

2019.2.1(金) 掲載
多数の遺伝子を同時に調べてその患者に効果の高いがん治療につなげる治療法。中核となるのは「がん遺伝子パネル検査」と呼ばれる技術で、がん組織から100種類を超える遺伝子を一度に調べ、遺伝子の変異を解析する。がんは様々な遺伝子の変異が積み重なることで発症し、変異は患者ごとに異なる。薬の効果も異なる場合があり、患者一人ひとりにあわせた薬の選択に役立つ。
 検査は胃がんや肺がんといった固形がんにかかり、専門医が推奨し保険適用されている治療法で効果が出なかった患者が対象だ。治療の選択肢が広がるほか、確実性が高まり、不要な投薬を減らせるメリットもある。
 厚生労働省はシスメックスと中外製薬の検査キットの製造販売を承認することを決めた。114~324種類の遺伝子の変化を一括で調べることができる。ゲノム解析装置の性能向上やコストダウンが進めば、日本も米欧並みに普及する可能性がある。革新的な新薬の開発次第で最適な治療薬の見つかる確率も上がる。
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