きょうのことばセレクション

公務員の賃金カーブ

2019.2.1(金) 掲載
年齢を追って賃金の伸びをグラフに表したもの。年功型賃金では年齢が上がるのに合わせ、右肩上がりの曲線になる。賃金の伸びが大きいほど、曲線は急傾斜になる。国家公務員の場合、人事院勧告(人勧)に基づいて給与が決まる。争議権などの制約を受ける国家公務員の労働基本権の代償措置として人事院が民間企業の給与水準を調べ、官民の給与格差が生じないようにするため。
 政府は2018年2月に定年延長の方針を決め人事院に意見を要求。人事院が同年8月に政府と国会に提出した意見書では、定年を65歳へ引き上げるとともに、60歳以上の職員の給与を60歳前の7割にするのが妥当とした。同時に、60歳前後の賃金カーブがなだらかになるよう、民間給与の動向を踏まえて見直しを検討することも求めた。地方公務員も国家公務員に準じて見直される見込み。
 ただ賃金カーブの見直しには現役世代の反発が予想される。カーブを緩やかにすると、教育費がかさむ子育て期間中に給与が減る職員も出てくる。一方、現役世代の給与を据え置くと、定年延長に伴う職員数の増加により総人件費が膨らむ課題も残る。与党内には年功型賃金を抜本的に見直し、能力や実績に応じた処遇を徹底すべきだとの声もある。
公務員の賃金カーブ