きょうのことばセレクション

燃料炭

2019.1.1(火) 掲載
主に火力発電の燃料となる石炭で「一般炭」とも呼ぶ。燃焼時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)が大量に発生することが問題視される。発電は天然ガスや再生可能エネルギーに代替が可能で、環境を重視する「ESG投資」の観点から石炭の利用を避ける流れが強まっている。石炭にはコークスとして使う「原料炭」と呼ぶ種類もある。製鉄で不可欠な素材のため、日本の商社などは原料炭の権益の保有は続ける。
 日本が2017年に輸入した石炭は1億9300万トンで、このうち燃料炭は1億1500万トンと過半を占める。政府は18年に策定した第5次エネルギー基本計画で50年までに脱炭素化を進めるとしており、燃料炭の輸入量を減らす方針だ。
 国際エネルギー機関(IEA)によると、世界では新興国の経済成長などから、石炭由来のエネルギー需要量は40年まで減らない見通しだ。ただ、再生エネやガスが伸びるため、エネルギー全体に占める石炭の比率は16年の27%から40年に22%まで低下すると予測している。
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