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上乗せ金利

2019.1.1(火) 掲載
国債利回りなど基準となる利回りと、社債利回りとの差。「スプレッド」と表現する場合も多い。信用力や流動性に応じて変化する。信用力の低い企業の社債は債務不履行(デフォルト)になり、投資元本が戻らないリスクが高い。そのリスクに見合う高い利回りでないと投資家は買いに動かないため、スプレッドは大きくなる。取引量が少なく、売りたいときに売りにくい社債は、流動性リスクを反映してスプレッドが大きくなる。
 インターコンチネンタル取引所(ICE)が算出する社債の指数によると、格付けが最も高いトリプルA格の社債の国債利回りに対するスプレッドは19日時点で0.69%。一方、格付けがダブルB格以下の低格付け債のスプレッドは約5%にのぼる。
 2008年のリーマン・ショック後には世界的な景気後退で企業の信用力悪化に加え、流動性リスクも高まった。世界の社債の上乗せ金利は3%台から一時、6%台まで急拡大する場面があった。
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