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役員報酬

2018.12.1(土) 掲載
取締役や監査役の報酬は従業員と異なり、株主総会での決議が必要になる。会社法では役員報酬を(1)額が確定しているもの(2)額が確定していないもの(3)金銭ではないもの、に分けている。
 月額報酬など額が確定している報酬は総会で役員全員分の総額を決議し、配分は取締役会に委任するのが一般的だ。日産は2008年の総会で、総額で29億9000万円以内と決議した。この決議には期限の定めがない。配分について日産は有価証券報告書の中で、企業報酬コンサルタントによる多国籍企業の役員報酬の調査を基に決めていると説明している。
 額が確定していないSARについては、日産は13年と15年の総会で決議している。毎年600万株相当分を上限として、株価が設定価格を上回っていれば、その差額を受け取れるとの算定方法を示した。詳細については取締役会に一任するとしていて、誰にどのくらい付与するかといった配分についての定めはない。そのためゴーン氏が実質的に差配できるようになっていたとみられる。「経営トップが自らの報酬を決められる体制は企業統治上、問題が大きい」(山口利昭弁護士)との指摘は多い。
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