きょうのことばセレクション

USMCA

2018.11.1(木) 掲載
北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に伴い、9月末までに米国、メキシコ、カナダの3カ国で合意した新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(the United States―Mexico―Canada Agreement)」のこと。呼称から「自由貿易(Free Trade)」の文言を外した。米国への乗用車輸入台数に数量規制を導入するなど、管理貿易の色彩が強い。協定は16年間有効で、3カ国政府は11月末の署名を目指す。
 米通商代表部(USTR)が公表したUSMCAの協定文は、序章を除いて34章の条文と、付属文書など計2千ページ以上。「NAFTAとは構成も異なり、条文が入り組んでいるため読み込むのに時間がかかる」(通商関係者)
 トランプ米大統領は1994年に発効したNAFTAが米国の貿易赤字を膨らませて国内雇用を奪ったと批判し、見直しを看板公約に掲げていた。新協定は一時的に米自動車産業の保護につながる可能性があり、トランプ政権は11月6日の米議会中間選挙に向けて、支持基盤である白人労働者層にアピールするもようだ。
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