きょうのことばセレクション

債券の償還

2018.9.1(土) 掲載
債券は国や企業による資金調達手段の一つ。年限や金利などの条件をあらかじめ決めて発行し、投資家が購入する。その年限に達することを満期といい、一般的な債券は額面の金額が投資家に戻ってくる。市場で売買がしやすく、投資家の層が厚いなどの利点がある。国債は10年物が中心となる。
 金融調査会社のディールロジックによると、新興国の政府や企業が今年1~6月に発行した債券は8000億ドル(約89兆円)を超え、10年前の約4倍に膨らんだ。特に企業による社債発行が全体を押し上げた。経済成長による資金需要の高まりが背景にあるが、これらの債券は満期時に借り換えが必要な場合が多い。格付けの引き下げなどで信用力が低下すると、この借り換えがしにくくなる。
 より高い金利を支払うなどの条件を受け入れれば借り換えはできるが、企業や政府の財務・財政の圧迫要因になる。利息金や元本の支払いが滞ると、債務不履行とみなされる。過去には大企業のほか、アルゼンチンも債務不履行を起こすなどして、世界市場が混乱したことがある。
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