きょうのことばセレクション

NATO

2018.8.1(水) 掲載
旧ソ連の脅威に対抗するため米国や西欧諸国が中心となって1949年に発足した軍事同盟。冷戦が終わった90年代以降、ポーランドやバルト3国などが相次いで加わり、現在の加盟国は29カ国。本部はブリュッセル。加盟国が武力攻撃を受けた際、全加盟国に対する攻撃と見なし反撃する集団安全保障を条約に明記している。
 冷戦終結後には90年代の旧ユーゴスラビア諸国の内戦への介入など域外・周辺地域の紛争予防に重心を移した。2001年の米同時テロ後の「対テロ戦争」では設立以来初めて集団的自衛権の行使に踏み切った。10年に採択した「新戦略概念」ではテロやミサイルなどによる攻撃を「新たな脅威」と規定。ミサイル防衛システムの開発を防衛の中核に位置付けた。
 旧共産諸国へのNATOの拡大は、勢力圏を圧迫されるのを嫌うロシアとのあつれきを生んできた。ウクライナ東部へのロシアの軍事介入やクリミア併合は、ウクライナがNATO加盟を模索したことが遠因となっている。
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