きょうのことばセレクション

株式交換

2018.7.1(日) 掲載
企業のM&A(合併・買収)の一形態。買われる側の企業の株主が保有株式を手放し、買う側の企業の株式を受け取る。日本では1999年の商法改正以降可能になった。買収に多額の現金が必要ないため、機動的な企業再編が可能になる。ヤマダ電機は2017年に株式交換でベスト電器を完全子会社化した。新日鉄住金も来年1月、日新製鋼を完全子会社化する際、株式交換を利用する。
 株式を交換する際は双方の株式の1株あたりの価値を比べて交換の比率を決める。B社の1株あたりの価値がA社株の半分だった場合、B社の株主は持っているB社株1株をA社に渡す代わりにA社株を0.5株もらう。
 比率は株価や業績、財務体質などを総合的に勘案して決める。両社の企業価値を数値化すると、その後の新会社の人事などにも広範な影響を与えるため難航することも少なくない。株価がベースになるものの明確な算出基準があるわけでなく、裁量に任される部分も残る。ただ、一般に株価に2~3割程度のプレミアムを乗せることが多いTOB(株式公開買い付け)と比べると買収額は膨らみにくい。
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