きょうのことばセレクション

核燃料サイクル

2018.7.1(日) 掲載
原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出し、再び原発で使用する仕組み。政府がこれまで電力業界と進めてきたエネルギー分野の基本政策だ。プルトニウムは原子爆弾の材料にも使われるため、国際的に厳しい管理が求められ、日本は発電など平和利用に使う前提で生産を認められている。日米原子力協定によって、日本はこの政策が可能になっている。
 「利用目的のないプルトニウムは持たない」のが原則だが、2011年の東日本大震災に伴う原発事故後に再稼働が進まず、既存原発でプルトニウムを燃やす「プルサーマル計画」は数基でしか実施されていない。プルトニウムはたまり続けているのが現状だ。
 核燃料サイクルをめぐっては、政府が16年に高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉を決定するなど政策の行き詰まりを指摘する声も大きくなってきている。ただ政府・与党内に同政策を抜本的に見直すべきだとの意見は少ない。政府が今夏の閣議決定をめざす次期エネルギー基本計画でも「サイクル維持」を明示する方針だ。
核燃料サイクル