きょうのことばセレクション

アクティビスト

2018.6.1(金) 掲載
投資した企業経営陣に経営・資本戦略を提案することで、投資先企業の価値を高めて最終的な利益を得ようとするファンドの総称。提案スタイルについては、投資家向け広報(IR)の場などで経営者に意見をする、穏健な「エンゲージメント(交流)ファンド」から、株主総会を舞台に委任状争奪戦も辞さない強硬派まで様々。内容も増配など株主還元や事業売却、経営陣の刷新など多岐にわたる。
 ヘッジファンド調査のHFRによると、アクティビストの運用残高は1256億ドル(約14兆円)に上る。リーマン・ショック後に世界の中央銀行が導入した低金利政策の影響で金融商品の利回りが低下。利回り確保に苦慮する機関投資家などの資金が流れ込み存在感が増している。
 3月期決算企業の株主総会が集中する6月末に向けて、今年も株主提案が出されている。持ち合い株を含め、資本のあり方を問題視する提案が多い。英アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)はTBSホールディングスが保有する時価総額で600億円超に達する東京エレクトロン株について、株主に現物で配当することを求めている。
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