きょうのことばセレクション

固定資産の減損処理

2018.6.1(金) 掲載
土地や建物、設備、ソフトウエアといった固定資産が抱えた含み損を一気に処理するよう求める会計基準。国際的な時価会計導入の潮流に合わせて企業会計基準委員会が作成し、2006年3月期から強制適用した。
 減損候補になり得る「兆候」として採算悪化、回収難、経営環境悪化、市場価格悪化の4つが例示されている。営業上不可欠で売却できない拠点や工場などは毎期査定し、減損対象かどうかを判定する必要がある。採算悪化の具体的な目安は「おおむね過去2期がマイナス(赤字)」「営業キャッシュフローが継続してマイナス、または継続してマイナスとなる見込み」としている。回収難は「著しい陳腐化など機能的減価が観察できる」というのが目安だ。
 固定資産をいくつかまとめたグループごとに監査するので、通例なら部分的な損失計上にとどまる。ただし、会社の業績が赤字に転落すれば、本店やシステムといった「共用施設」も減損候補となる。導入時の企業会計基準委の議論では下落幅「5割以上」の場合となっていた。金融危機や災害は「一過性」とみなされ、減損対象からは外れてきた。
固定資産の減損処理