きょうのことばセレクション

LCC

2018.6.1(金) 掲載
ロー・コスト・キャリアの略で、格安料金を武器にする航空会社を意味する。伝統的なサービスを提供するFSC(フル・サービス・キャリア)と対置されることが多い。ボーイングの「737」やエアバスの「A320」などの小型機に機材を統一して整備費用を抑制し、運航の頻度も上げて効率化を徹底する。顧客を運ぶコストが大手の半分以下の会社もある。
 日本では2012年にANAホールディングスが出資するピーチ・アビエーションなどが運航を開始。成田空港や関西国際空港にLCC専用ターミナルが設けられるなど、インフラ整備も進んだ。国土交通省によると、12年に2.1%だった国内線のLCCシェアは16年に9.7%まで上がった。国際線は5.2%から18.9%となり、存在感が増している。
 政府は20年に訪日外国人を4000万人とする目標を掲げており、LCCの拡大はその成否を左右する。現状では片道4時間程度までの短距離路線が主流だが、ANAHDが傘下のピーチとバニラ・エアを統合して中距離路線に参入する方針を示すなど、消費者の選択肢は広がりつつある。
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