きょうのことばセレクション

企業年金改革

2018.5.1(火) 掲載
企業年金は国民年金や厚生年金といった公的年金に上乗せする年金制度。企業が掛け金を運用し、働き手が決められた金額の給付を受けられる確定給付型の年金が長らく主流だった。しかし、バブル崩壊後の株式相場の低迷で年金の財政が悪化。2000年代前半に企業側の負担増や制度の持続に対する不安を解消するため、年金改革が始まった。
 目指したのは年金財政の健全化だ。一つが年金会計の導入。年金や退職金で将来必要になる金額を現時点に換算した、年金債務の開示などを上場企業に義務付けた。確定拠出年金の採用も始まった。企業は決まった額を拠出し従業員が運用する。運用の結果で企業の負担が増えることがない。
 今回の改革でも確定拠出年金の採用や拡充をする企業が多い。転職者やシニア、一時的に離職した人など様々な働き方の人が受け入れやすいためだ。支給開始年齢の引き上げは、運用の安定につながり、長生きへの備えになる。長期にわたり確実に支給できるよう、給付額を引き下げる企業もある。
企業年金改革