きょうのことばセレクション

日銀短観

2018.5.1(火) 掲載
日銀が四半期ごとに実施している調査で、正式名称は全国企業短期経済観測調査という。全国の企業に対して、景況感や事業計画、物価の見通しを聞き取っている。調査企業数は製造業が4110社、非製造業は5910社の合計1万20社(2018年3月調査)と多い。回収基準日から3週間程度での公表と速報性も高く、金融市場やエコノミストの関心が高い。海外では「TANKAN」として知られる。日銀も景気の現状を判断し、金融政策を運営するうえで重視する。日銀内でも最終的な集計結果は公表日当日まで極秘扱いとなっている。
 注目度が高いのが景況感を聞く業況判断指数(DI)だ。景況感を「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いて算出する。「最近(調査回答時点)」だけでなく「先行き(3か月後)」の判断についても調べる。今回の3月調査で悪化した大企業製造業の最近の業況判断は、前回の12月調査では11年ぶりの高い水準となっていた。
 設備投資計画や金融機関の貸し出し態度、想定為替レートも含む幅広い項目を聞き取っている。17年からは研究開発投資額が調査項目に加わった。現行の調査は1974年に始まっており、同じ項目について長期のデータが蓄積されている強みがある。
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