きょうのことばセレクション

巨大自由貿易圏

2018.4.1(日) 掲載
関税や企業活動の障壁が極めて広い範囲にわたり存在しない地域のことで、メガ貿易圏とも呼ばれる。1990年代は世界貿易機関(WTO)のもとでこうした自由貿易圏の拡張が続いたものの、加盟国の増加などに伴い議論は難航。2000年代以降は停滞が顕著だ。国や地域同士で工業品や農林水産物の関税を削減・撤廃するのが自由貿易協定(FTA)。近年は関税だけでなく、投資環境整備や知的財産の保護、自由な電子商取引を担保するルールも盛り込む経済連携協定(EPA)が主流だ。
 2国間だけでなく、多国間による協定も増加傾向にある。発展段階の異なる国が加わるため調整は難しいが、“面”による自由貿易圏を構築することで企業のサプライチェーン網構築や輸出先の多様化といった利点が大きい。
巨大自由貿易圏