きょうのことばセレクション

WTO

2018.4.1(日) 掲載
モノやサービスの貿易自由化をめざして1995年に発足した国際機関。WTOはWorld Trade Organizationの略で、スイスのジュネーブに本部を置く。164カ国・地域が加盟し、自由貿易のルール作りを担っている。裁判に似た紛争処理制度もある。
 WTOの源流は48年に発効した関税貿易一般協定(GATT)だ。貿易の保護主義が第2次世界大戦の一因になったとの反省から生まれた。GATTは国際機関でなかったため、94年のウルグアイ・ラウンド交渉妥結の際にWTO設立が合意された。WTOはモノの貿易自由化に加えて、電子商取引の国際ルールやデータの自由な流通なども議論している。
 新興国の加盟国が増え、全会一致が原則のWTOのルール作りは難航している。2001年に始まった多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)は、先進国と新興国の利害が対立して妥結のメドが立っていない。WTOよりも2国間で結ぶ自由貿易協定(FTA)や、複数国によるメガFTAを重視する国が増えている。
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