きょうのことばセレクション

個人データ保護

2018.3.1(木) 掲載
 消費者の購買履歴や検索情報といったビッグデータを分析すればマーケティングなどへの活用も可能になる。一方で、データを適切に取り扱わないと、個人を特定できる情報が本人の望まぬ場所で流通してしまいかねない。各国・地域の規制当局の視線は厳しくなり、個人に関するデータを保護する法制の整備や運用を強化する動きが世界的な流れとなっている。
 個人データ保護を大幅に強化する新規制が施行される欧州は、個人データの保護を基本的人権と明示している。シンガポールでは2014年に個人情報保護法が全面施行され、データ保護責任者の設置義務などを導入した。同国を含むアジア諸国や米国でもデータ保護の体制が不十分とみた企業に高額制裁金を命じる例が相次ぐ。中国も独自の法規制を強める。
 日本では17年5月に個人情報を扱うルールを抜本的に見直した改正個人情報保護法が全面施行。個人情報の定義を明確にしたほか、個人を特定できないようデータを加工すれば本人の同意なく第三者に提供できる仕組みを導入した。企業にはデータの活用とプライバシー保護のバランスを取ることが求められる。
個人データ保護