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マイナス金利

2018.3.1(木) 掲載
 中央銀行が政策金利をゼロ%よりも低い水準にする政策。民間銀行が中央銀行に預け入れる預金金利をマイナスにする。銀行は多くのお金を預けておくと損をするが、銀行から世の中に出回るお金の量を増やし、家計や企業がお金を使いやすい環境を整えるのが狙いだ。デフレ脱却を目指す日銀は2016年1月に導入を決め、同年2月16日から適用した。
 日銀は13年4月に導入した「異次元緩和」と呼ばれる量的・質的金融緩和で国債を大量に買ってお金を市中に流すことで、経済を活性化させようとしていた。さらなるカンフル剤として、過去に例のないマイナス金利政策で金融緩和を一段と強めた。大胆な政策が日本経済にプラスかは日銀内でも意見が割れ、当時の金融政策決定会合は賛成5、反対4となった。
 日本のマイナス金利は日銀が金融機関からお金を預かる日銀当座預金の一部に年マイナス0.1%の金利を課す。住宅ローン金利が下がって個人の負担が減ったり、不動産市場が活性化するなどの効果はあったが、物価は思うように上がっていない。企業や個人の資産運用が難しくなるなどのデメリットもある。
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