きょうのことばセレクション

全銀システム

2018.2.1(木) 掲載
 信用金庫や農協などを含む1300超の国内のほぼすべての金融機関をオンラインで結んでいるシステム。金融機関の真ん中に位置し、金融機関をまたぐ振り込み(送金)を集中的に処理する。1973年4月から稼働しており、全国銀行協会が実質的に運営している。開発・保守はNTTデータが担っている。
1日平均で約750万件、13兆円に及ぶ決済取引を処理している。ただし1億円以上の取引は全銀システムではなく日銀のシステムで直接やり取りする。即時性や正確性は定評があるものの、金融機関が接続できる稼働時間が平日午前8時半~午後3時半までのため、この時間帯以外の取引は翌営業日の扱いになってしまう。
 みずほ、三井住友、三菱UFJの3メガ銀行は、携帯電話番号を使った個人間送金を目指して実証実験をしている。全銀システムを経由せずに、預金口座とひもづけた仮想口座を新システム上につくり、携帯番号やメールアドレスでお金をやり取りできるようにする構想だ。全銀システムを「中抜き」する形で、決済の主役が大きく変わる可能性がある。
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