きょうのことばセレクション

政治文書

2018.1.1(月) 掲載
 2国間の外交関係を意義づける文書。とりわけ日中が「政治的基礎」とする文書は4つある。1つ目は1972年のニクソン米大統領による電撃訪中を受け、田中角栄首相が北京を訪れ国交を正常化した際に周恩来首相と発表した日中共同声明。中国は日本に対する戦争賠償の請求を放棄した。
 78年には平和友好条約を結んだ。この年来日した鄧小平副首相は沖縄県の尖閣諸島について「我々は知恵が足りない。次の世代はもっと賢くなる」と棚上げを提起。98年の日中共同宣言は21世紀に向けた日中のあり方を幅広く定める一方、歴史認識を巡り「中国への侵略によって中国国民に災難と損害を与えた責任を痛感し、深い反省を表明した」と明記した。
 安倍晋三首相が第1次政権で提起した「戦略的互恵関係」は2008年の共同声明で包括的推進を確認。両国は「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」という点で一致した。両国は「第5の政治文書」に向け、この考え方を基盤とする新たな日中関係の姿を探る。
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