きょうのことばセレクション

地方銀行

2018.1.1(月) 掲載
 都道府県に本店を置き、地方を中心に営業を展開している普通銀行。全国地方銀行協会に加盟する地方銀行が64行、第二地方銀行協会に加盟する第二地銀が41行あり、総じて地銀と呼ぶ。第二地銀はもともと相互銀行だったところが、平成になって以降、株式会社に転換して普通銀行になった。
 ほとんどの地銀は小口取引が主体で、取引対象を地元の企業や個人に絞って営業する。全国銀行協会によると、2017年11月末時点の地銀、第二地銀合わせた総預金は約321兆円と全体の4割超を占める。総貸出残高は同247兆円と全体の約5割を占める。地方の中小・零細企業にとっては重要な資金の供給元であり、地方経済に資金を回す役割を担う。
 人口減や日銀のマイナス金利政策などによって地銀の経営環境は厳しい。金融庁は25年3月期には6割超の地銀が貸し出しと手数料収入という本業で赤字になると試算する。貸し出し競争が激しく、利ざや縮小に歯止めがかからない。利幅が大きいアパートローンや銀行カードローンも、過熱を警戒する金融庁の監督強化によってしぼみつつある。経営の体力を高めるために経営統合や資本業務提携など、地域を超えた業界再編を模索する地銀は多い。
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