きょうのことばセレクション

新薬開発

2018.1.1(月) 掲載
 日本製薬工業協会によると、2016年の医療用医薬品の世界売上高上位100品目のうち、半数近い48品目は米国の企業が生み出した。日本は13品目で2位。3位以下はスイス、英国、ドイツと欧州の先進国が続く。インドや中国など、新興国の名前はない。優秀な研究者を多く抱え、巨額の投資を続けられる企業でなければ新薬開発は難しく、結果として担い手は先進国の大企業に限られた。
 世界で最も医薬品の開発が盛んなのは米国だ。ファイザーやメルクといった巨大製薬会社の多くが本社を置いているほか、医療機関、大学、スタートアップが集積し研究者が集まるボストンやサンディエゴなどの都市が存在することも背景にある。
 1つの新薬開発には1千億円以上のコストが必要と指摘するデータもある。今後はがんや認知症といった難病の治療に対するニーズが強まるため、開発コストは上昇する可能性が高い。今後、巨額の投資を継続することができれば、新興国の製薬企業が存在感を高めることになりそうだ。
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