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潜在成長率

2017.11.1(水) 掲載
 景気循環の影響を除いた経済成長率のことで、その国の成長の「巡航速度」を示す。企業の設備(資本)、労働力、企業の技術進歩や効率化による生産性(全要素生産性)という3つの要素から経済全体の供給力をはじく。中期的に持続可能な国内総生産(GDP)のことを潜在GDPと呼び、それが年率でどのくらい伸びていくかを示すのが潜在成長率だ。
 あくまでも推計で求めるもので、研究機関などによって前提が違うため数字にばらつきも出る。働き手が増えたり企業が設備投資で機械などを買い増したりすれば潜在成長率は上がり、逆に機械の陳腐化で生産性が伸び悩んだりすると低下する。
 日本の潜在成長率は1980年代には3~4%台に上ったもののバブル崩壊で急降下。2000年代に入るとおおむね1%前後となり、その後はさらに0%近辺まで沈んだ。内閣府によると、景気回復や労働参加率の上昇で現在は1%程度まで回復しているが、極めて低い水準であることに変わりはない。
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