きょうのことばセレクション

老朽原発

2017.11.1(水) 掲載
 運転開始から長期間が経過した原発。東京電力福島第1原子力発電所の事故後、設備の老朽化による事故を防ぐため、原発は運転期間が原則40年に制限された。原子力規制委員会が認めれば1回に限り20年延ばし最長60年にできる。国内には1970年代に稼働した原発が多くあり、電力会社は運転延長か廃炉かの判断を迫られる。
 原発が老朽化すると配管の劣化などのリスクが高まる。福島の事故を踏まえ、日本では世界で最も厳しいとされる新基準が導入された。地震や津波対策を強化したり、事故時に機能する電源や冷却設備を備えたりする必要がある。
 さらに原子炉などの重要設備が運転延長に耐えられるかを点検し、規制委から許可を得なければならない。電力会社が延長を申請するかは、対策工事にかかるコストや時間と、運転延長した場合の収益向上を比較し、慎重に判断している。
老朽原発