きょうのことばセレクション

空き家問題

2017.9.1(金) 掲載
 人口減少を背景に増え続ける空き家は様々な問題を地域に巻き起こす。適切に管理されないため火災の原因となることがあるほか、地震の際に壊れて道をふさぐ危険性も大きい。犯罪に使われるケースも出ており、敷地に遺体が遺棄されたり、大麻を栽培したりしていた例がある。
 2013年の空き家数は約820万戸と10年前に比べて約160万戸増えた。空き家の約半数が賃貸用の住宅。国土交通省によると、空き家の取得要因は半数以上を相続が占めているが、所有者の約4分の1が車や電車で1時間以上かかる遠隔地に住んでいる。解体に要するコストの負担や当面の必要性がないことから、空き家として放置されている事例が多い。
 15年に全面施行された空き家対策特別措置法は倒壊の恐れや景観を著しく損なう空き家を「特定空き家」と定義。市町村が所有者に除去や修繕を指導、勧告、命令できるようにした。命令に従わない場合は強制執行もできる。今年3月時点で指導した市町村数は221、勧告は74、命令は17に上る。
空き家問題