きょうのことばセレクション

改正銀行法

2017.9.1(金) 掲載
 預金の取り扱いや融資、決済といったサービスを手掛ける銀行が守るべき規制などを盛り込んだ法律。金融庁による銀行への検査・監督の根拠となるもので、行政処分の発動基準なども盛り込んでいる。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックへの対応を金融機関などが柔軟に取れるよう近年、改正が重ねられてきた。
 政府は昨年、銀行持ち株会社を解禁した1990年代後半以来となる大規模改正を実施。この改正法は今年4月に施行され、金融持ち株会社による事業会社への出資が解禁された。従来は財務の健全性を保つため銀行による事業会社への出資を5%、持ち株会社も15%までにそれぞれ制限していたが、当局の認可を取ればこの上限を超えて出資できるようにした。
 金融庁は今年も銀行法を改正した。5月に成立した改正法では、家計簿アプリなどを手がけるベンチャー企業に「登録制」の導入を決めた。銀行が持つ口座情報などをベンチャーが取得しやすくする内容で、フィンテック対応を後押しすべく規制緩和が着々と進められている。
改正銀行法