きょうのことばセレクション

北戴河会議

2017.8.1(火) 掲載
 北京から東へ約270キロ離れた河北省のビーチリゾート「北戴河」で毎年夏、中国共産党の現役指導者や引退した長老、有識者が集まる会議。党幹部人事などの重要政策が主要議題で、中国政治に大きな影響力を持つ。ただ、非公式会議という位置づけのため、協議内容はおろか日程や参加者もほとんど公表されない。
 水泳好きの毛沢東が夏に避暑をかねて滞在したのに合わせ、党や政府、軍の幹部が集まるようになったのが起源とされる。胡錦濤前国家主席の時代に一時廃止されたが、すぐに復活。長老が発言権を行使する場だが、権力の分散につながるとの批判も多い。2015年夏には党・政府系メディアに北戴河会議の存在意義に疑問を投げかける評論が載った。
 長老や有識者は7月中旬頃から一足先に北戴河に入るのが一般的とされる。現地の警備が厳しくなり、黒塗りの車列がしばしば目撃される。今年の現役指導部は、8月1日の人民解放軍創立90年の記念行事を終えた後に北戴河へ向かうとみられる。
北戴河会議