きょうのことばセレクション

モーダルシフト

2017.8.1(火) 掲載
 モノや人の輸送手段の方式(モード)を転換すること。例えば首都圏と関西圏や九州圏などの長距離幹線輸送をトラックから鉄道や船舶に替えることなどを指す。1トンの荷物を1キロメートル運ぶ際に排出される二酸化炭素量は鉄道がトラックの約9分の1、船舶がトラックの約5分の1とされる。環境負荷を減らす目的で国土交通省などが推進してきた。
 鉄道や船舶は大量輸送が可能なため、単位輸送量当たりの人員がトラックよりも少なく済む。日本内航海運組合総連合会は499トンの内航船舶1隻で、おおむねトラック160台分の荷物を運べると試算する。トラックの運転手不足など、社会問題化している物流業界の人手不足を解決する手段としても注目されている。
 一方で、鉄道や船舶は荷物の積み下ろしができる場所が貨物駅や港湾に限られる。加えて、内航海運は航路が限られているほか、鉄道も決められた運行ダイヤに従って貨物列車を走らせるため、荷物の増減に柔軟に対応するのが難しいなど、推進には解決すべき課題も残る。
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