きょうのことばセレクション

ホワイトハッカー

2017.6.1(木) 掲載
 システムへの侵入や乗っ取りなどをする「ハッキング」の技術を、サイバー攻撃の阻止など善良な目的で活用する人たちのこと。「正義のハッカー」と呼ばれ、予防策を講じたり、プログラムの安全策を高めたりする。ハッキング技術を悪用し、サイバー攻撃を仕掛ける「ブラックハッカー」とは区別される。
 ハッカーの手口を熟知しているため、サイバー防衛を強化したい政府からの需要は大きい。内閣官房の「内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)」は2015年度から「情報処理安全確保支援士」という国家資格を取得した民間の技術者らをホワイトハッカーとして採用している。米国やフランスなどはテロ対策機関などで雇っている。
 サイバー攻撃の被害は広がっている。不正アクセスなど日本政府への「脅威」とされたサイバー攻撃は15年度だけで613万件あった。海外でも、ウクライナの発電所がロシアの関係組織から攻撃を受けるなどの問題が起きている。サイバー攻撃への対抗措置の必要性を巡る議論は国際的にも活発になっている。
ホワイトハッカー