きょうのことばセレクション

原発の新規制基準

2017.4.1(土) 掲載
 東京電力福島第1原子力発電所事故後に発足した国の原子力規制委員会が2013年7月に導入した原発の新たな安全規制のこと。原発事故前に比べ、大幅に厳しい安全対策を取るよう電力会社に求めている。この基準に基づく安全審査に合格しなければ、電力会社は原発を運転できない。これまで関西電力高浜3、4号機(福井県)を含む5原発10基が安全審査に合格した。
 大きく強化したのが自然災害への備えだ。電力会社は原発を襲う最大級の地震の揺れや津波の高さを想定したうえで、対策を打たなければならない。高浜原発の場合、審査の過程で地震想定を引き上げ、敷地を津波から守る防潮堤も事故後に設けた。地震や津波のほかに火山噴火や竜巻などの影響も考慮しなくてはいけない。
 「炉心溶融(メルトダウン)」のような重大事故への対策も新たに義務づけた。電力会社は原子炉を冷やすために必要な電源のほか、冷却手段を多重化して、もしもの場合に備える必要がある。「原発事故は起こらない」と考えてきた従来の発想を改め、事故が起きても被害を最小限に抑えることを目的にしている。
原発の新規制基準