きょうのことばセレクション

想定為替レート

2017.3.1(水) 掲載
 企業が経営計画を立てたり、業績を予想したりする際に前提とする為替相場の水準。ドルやユーロに対する円相場を示すのが一般的だが、最近はタイバーツなど新興国通貨の想定レートを公表する企業が増えてきた。生産拠点がアジアなどに広がり、取引に使う為替の種類が多くなったためだ。
 想定為替レートは決算説明資料の補足情報として記載される例が多い。外貨建てで取引をしている場合、想定以上の円安は輸出企業の収益にプラスとなる。海外売上高の円換算額が膨らみ、想定より円安になった分が上乗せされるからだ。逆に原材料を輸入する外食や石油などでは、想定以上の円安が業績を下押しする要因に働く。
 31日までに2016年4~12月期決算を発表した企業をみると、想定レートを円安方向に見直す例が相次いだ。日本電産は下期(16年10月~17年3月期)に1ドル=100円とみていた円相場を17年1~3月で110円に変更した。31日時点の1~3月の想定の平均は、1ドル=110.5円、1ユーロ=116.9円(公表企業のみ)。実勢はこれより円安で、今の水準が期末まで続けば輸出企業を中心に収益が上振れする可能性がある。
想定為替レート