きょうのことばセレクション

航空機の軽量化

2017.2.1(水) 掲載
 航空機の機体はアルミ合金、エンジンはニッケル合金が主流だが、より軽く強度を兼ね備えた新素材や燃費を改善できる構造に置き換える技術革新が進む。代表例が機体に多用される炭素繊維強化プラスチックで、欧州エアバスの最新機「A350XWB」では機体の53%に使用され、従来の同型機に比べ5倍に拡大している。
 SiC繊維は炭素繊維に比べ耐熱性が高いのが特徴だ。高温高圧の状態になるタービンでも燃えずに破断しない耐久性を持ち、これまで適用が難しかったエンジン部品で利用が可能になった。ただ、価格は1キロ当たり3000~1万円とされる炭素繊維の約100倍。量産ノウハウを確立し、価格を低減していくことが課題だ。
 チタンとアルミの合金である「チタンアルミ」も航空機エンジンの軽量化に直結する新素材として期待されている。軽量化だけでなくエンジンの機械構造を改良する技術革新も進む。米プラット&ホイットニーの最新エンジンは取り込んだ空気を効率活用する機構を開発、燃費を15~20%改善している。
航空機の軽量化