きょうのことばセレクション

副業・兼業禁止規定

2017.1.1(日) 掲載
 会社の就業規則で他の会社で働くことを禁じる規定のこと。厚生労働省が標準的な企業の就業規則として公表している「モデル就業規則」は「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と定め、違反した場合に懲戒処分の対象とすると明示している。同規則は多くの企業の就業規定のひな型なので、政府は副業・兼業を後押しするために見直すことにした。
 中小企業庁によると、副業を希望している人は全就業者の5.7%にあたる約370万人いるという。4%台だった1990年代と比べると割合は増えている。副業の業種では、サービス業が27.6%と最も多く、卸売・小売業や教育・学習支援が11.7%で続く。本業と同業に勤めている人は4分の1にとどまり、4分の3が別の業種に勤務している。
 経営者側には慎重な意見が根強く、情報漏洩や労働時間の長時間化などといった課題を指摘する声がある。ただ、IT(情報技術)関連企業などでは副業を認める企業も多く、製造業でもロート製薬などのように自主的に認める企業が出てきた。政府は指針を策定することで企業や働き手のルールを整備する考えだ。
副業・兼業禁止規定