きょうのことばセレクション

米国務長官

2017.1.1(日) 掲載
 米国の外交を担当する国務省のトップを務める閣僚で、日本の外相に当たる。大統領に外交政策を助言し、大統領の策定した外交政策を実行するが、その権限は大きく、閣僚の首席として国家行事や通商を統括することもある。大統領が死亡したり辞任したりした場合の継承順位は副大統領、下院議長、上院議長代行に次ぐ4位。任期は大統領と同じく4年で、就任には上院議会の承認が必要。
 米国の外交は安全保障にも直結するため、軍経験者が多い。外交の専門家として、大学教授を登用するケースもある。近年は女性初の国務長官、マデレーン・オルブライト氏や、黒人のコリン・パウエル氏など、人種や性別などに関し多様性を求める米国社会の世相を反映することが多かった。
 超大国・米国の顔として、歴史の転換点の当事者となる。日米開戦前、日本軍の中国からの撤兵を求める「ハル・ノート」を提示したコーデル・ハル氏、ベトナム戦争終結に道筋をつけたヘンリー・キッシンジャー氏ら、ノーベル平和賞受賞者を含めて世界に大きな影響を与えた人物が多い。
米国務長官