きょうのことばセレクション

仮想通貨

2016.11.1(火) 掲載
 目に見えるお札や硬貨とは違い、インターネット上でやり取りするお金。円やドルなどの法定通貨を発行する中央銀行のような管理者がいない。その種類は増え続け、現在は世界に600以上あるとされる。代表例はビットコインだが、その他にも「イーサリアム」や「リップル」などがある。
 「取引所」と呼ばれる専門の事業者を通じて円やドル、人民元などで購入できる。利用者は専用の電子財布「ウォレット」をネット上に作成して保有する。パソコンやスマートフォンを通じて他人に自由に送金できる。利用者にとっては送金時に負担する手数料が数円程度ですむメリットがある。ビットコインをはじめとして、保有者の売買に応じて頻繁にドルや円でみた価格が変化するのが特徴だ。1日に2割変動することもある。この価格変動を利用した投機を目的に保有する人が多い。
 最近では違法取引やマネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪に悪用されるケースが目立ってきたため、金融庁は今年5月に資金決済法を改正。取引所を登録制として監査法人による監査を義務づけたり、口座開設時には利用者の本人確認を求めるなど監視の強化に動いている。
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