きょうのことばセレクション

外貨準備

2016.1.1(金) 掲載
 各国の政府や中央銀行が保有する外貨資産の対象となる通貨。為替介入や対外債務の支払いの原資となる。貿易などの決済手段としての普及度合いと並び、通貨の国際的な存在感を測る指標の一つだ。国際通貨基金(IMF)によれば6月末時点で米ドルが6割強、ユーロが2割強を占める。円は4%弱にとどまっており、ここ数年はカナダドルやオーストラリアドルなど資源国通貨が伸びている。
 人民元のSDR(特別引き出し権)への採用は象徴的な意味合いが濃く、ただちに決済取引や外貨準備が増えるわけではない。ただ、IMFが国際通貨としてのお墨付きを与えたことになり、元を外貨準備に組み入れる国が増える可能性がある。元は決済通貨として8月に一時円を抜いたが、外貨準備の面でも国際通貨としての存在が高まりそうだ。
 世界の外貨準備の残高は11兆4000億ドルに上る。過去10年で3倍近くに膨らんでおり、世界中の債券などへ向かっている。中国が外貨準備を取り込んでいくには欧米のように通貨の取引が自由化され、資本市場の透明化を高めていくことが不可欠だ。
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