日々進化する経済用語集 経済ナレッジバンク

最新の経済情報を伝える日経は、日々新しい経済用語が登場する場所でもあります。

「経済ナレッジバンク」は、おさえておきたい経済の基礎用語から最新用語まで、約600語を収録。

やさしくわかりやすく解説しています。

経済をイチから学びたい時、日経を読んでいて知らない用語にぶつかった時など、幅広くご活用いただけます。

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iPS細胞

2018年5月17日(木) 日本経済新聞 朝刊

創薬にも応用の期待高く
 心臓や目、神経など様々な細胞に変化する能力を持つ細胞。血液や皮膚の細胞に複数の遺伝子を導入して作る。京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授らが2006年にマウスで、07年にはヒトで世界で初めて作製。12年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。病気などで機能が衰えた臓器などを置き換える再生医療の切り札として期待を集める。理化学研究所は14年に目の難病である加齢黄斑変性で世界初の臨床研究を実施。大阪大学はiPS細胞から心筋シートを作製して2件目となる心臓病の治療に挑む。
 iPS細胞の研究が日本で進んだ背景には、胚性幹細胞(ES細胞)の影響もある。1998年に米国で初めて作製され、2000年代に国内外で研究が広がった。万能細胞という点は同じだが、ES細胞は受精卵を壊して作製するため倫理的な問題がある。日本では海外に比べ指針が厳しく普及に向けたハードルとされてきた。
 iPS細胞は病気の原因を解明して新薬を開発する「iPS創薬」にも応用への期待が高い。5月にも治験を始める慶応大は、難聴の患者から作ったiPS細胞で耳の細胞を再現。初めて耳の中の病態を解明し、薬の候補物質を絞り込む作業にも活用した。17年には京大も骨の難病を対象に、患者のiPS細胞で見つけた薬の治験を始めている。