日々進化する経済用語集 経済ナレッジバンク

最新の経済情報を伝える日経は、日々新しい経済用語が登場する場所でもあります。

「経済ナレッジバンク」は、おさえておきたい経済の基礎用語から最新用語まで、約600語を収録。

やさしくわかりやすく解説しています。

経済をイチから学びたい時、日経を読んでいて知らない用語にぶつかった時など、幅広くご活用いただけます。

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「強いドル」政策

2017年1月19日(木) 日本経済新聞 朝刊

「米国の国益」伝統的な考え方
 米国が伝統的に掲げてきた「強いドルが国益にかなう」とする通貨政策。強いドルは健全な米経済の成長を反映しているとの考え方が背景にあり、海外からの巨額の資金で米国債の需要を支える米財政政策の生命線でもある。ドル高は海外からの輸入物価の引き下げにつながり、国内の消費者には一定の恩恵がある。
 強いドル政策は1995年にクリントン政権で当時のルービン財務長官が提唱し始めたとされ、歴代財務長官はこの大原則を脈々と引き継いでいる。近年の米大統領や米政権幹部らも通貨安競争を明確に否定してきた。ただ、ドル高で米製造業の輸出競争力がそがれているとの不満は米連邦議会などでもくすぶっており、「米国第一」を掲げるトランプ次期米大統領の登場により中国などが自国通貨安を通じて輸出を促進しているとの批判に火がついたかたちだ。
 世界最大の経済大国で基軸通貨を抱える米国の大統領がドル安誘導に動けば、為替介入の抑止を掲げてきた通貨合意が有名無実化しかねない。強いドル路線を本気で転換しようとすればマネーの流入が鈍るなどして金利が上昇し、米自身の景気にも冷や水を浴びせかねない。